こゆきからはじまった。
私がわんこを保護するきっかけになったのは
繁殖犬だったこゆきを引き取ったことが大きく影響している。
今はつぶれたブリーダーだけど
そこの犬舎では
病気でたくさんのわんこが亡くなる。
狭い狭い部屋で
夏は暑く、冬は寒く、
ただ子供を産むために暮らすわんこたち。
病気も毛玉も放置。
もちろん、こゆきもとても臭く毛玉だらけだった。
繁殖犬独特の異臭はこの時初めての体験。
ペットショップの、
ガラスの向こうのかわいい子犬しか知らなかった私。
そんな現実を知らなかったから
お迎えに行った犬舎の様子はすごくショックだったし
怒りの感情が込み上げた。
(若かったから?)
実際こゆきと暮らしてみると
家庭犬との違いにとても戸惑った。
人を怖がり、おびえた目。
背中を向けると追いかけて噛む。
どうしてそんなに冷めた目をしているんだろう?
触れることも、唸って拒否をした。
手をとても怖がる子だった。
産後だったらしく
乳腺炎を起こしていて
環境の変化によるストレスもあって高熱をだした。
歯石がひどく、抜歯もした。
今までワクチンをしたことがないという。
こゆきを見ていると
余計にブリーダーに対して
怒りの感情しかなかった。
当時の私たちは
こゆきに信頼してもらう方法もわからず
しつけ方どころか接し方すらわからなくて
タウンページで探して、訓練士さんに相談した。
子犬のさくらとは
違った意味で苦労することとなった。
これがこゆきとのエピソード。
もっと犬のこと勉強しようと思うきっかけになったし
愛らしい子犬だけではない、
裏の世界があると知った。
こゆきみたいな子が裏の世界にはたくさん居て
誰からも撫でてもらうことなく
愛してもらうこともないまま消えていく。
それでいいの?
さくらを通して、
しおんを通して、
しずくを通して、
その時々で
いろんな考え方を学んだけど
やっぱり私は繁殖犬にも幸せになってほしい。
そういう思いがずっとある。
こゆがそう教えてくれたと思っている。
こゆきも言われました、
『ペットのふつうの犬とは違う』
たしかにふつうの家族に愛されて育った子ではないから
社会化できていないし
しつけやルールも知らないで生きてきました。
でもね、
それはこれから学んでいくんですよ。
家族に愛されながら、
撫でられること、名前を呼ばれることに幸せを感じる子に
これからなっていくのです。
ね、こゆき。
私は大きなことはできません。
誰かを責めることもしたくありません。
自分のできることをしたい。
第二の犬生幸せになれるチャンスがあるなら
その子にも家族を探したい。
その想いで保護をしています。
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